今回のニュースレターでは、インクルーシヴデザインとアクセシビリティについて取り上げ、関連する法律の改正についてご紹介します。
インクルーシヴデザインは、異なる能力やニーズを持つすべての人に対して利用しやすい製品やサービスを提供するための手法です。高齢者や障がい者など、多様な人々が製品やサービスを利用できるようにするために、アクセシビリティを考慮しています。これにより、製品やサービスの利用者層を広げることができ、社会の多様性を尊重することができます。
近年、アクセシビリティに関する法律が注目されています。2016年4月1日に施行された「障害者差別解消法」が、2021年5月に改正されました。
この法律は、「不当な差別的取扱い」を禁止し、事業者に対して「合理的配慮の提供」と「環境の整備」を求めています。現在は事業者が「合理的配慮の提供」に努めることが推奨されていますが、2024年4月1日に一部改正法が施行され、これが義務化される予定です。
障害者差別解消法において、「事業者」とは、営利または非営利を目的とし、商業や他の事業を行う企業、団体、店舗を指します。この定義は、営利・非営利、個人・法人の区別なく、同じサービスや活動を継続的に提供する意思を持つ者に適用されます。したがって、個人事業主やボランティア活動を行うグループも「事業者」とみなされます。
社会参加を拒むバリアを感じている方は、社会の中に存在するさまざまな障壁によって生活が困難になることがあります。「障害者差別解消法」では、社会参加を拒むバリアを感じている方から社会の中にある障壁を取り除くために対応が必要であることが伝えられた場合に、事業者や行政機関などが適切な対応を行うことが求められています。この対応のことを「合理的配慮の提供」と言います。
「合理的配慮」では、社会参加を拒むバリアを感じている方が社会参加や利用する機会を享受できるように、その障壁を取り除くための柔軟な対応が求められます。
例えば、ウェブサイトでは、
視覚に苦手がある方に向けて、読みやすいコントラストと文字の大きさを提供
動作が苦手な方(手の震え)に向けて、クリックしやすい大きさのボタンを提供
認知が苦手な方に向けて、背景と文字のコントラストをユーザーが調整できる機能を提供
こちらは一例ですが、ウェブサイトの利便性においてちょっとした不便を抱えている方々が、上記のような対応をウェブサイトに求めています。ただし、個々のニーズは異なるため、これらをユニバーサルデザインで完全に対応することは難しいです。したがって、ウェブサイトを調整できるプラグインソリューションが必要となります。しかしながら、この対応は事業者や行政機関にとって過度な負担とならない範囲で行われます。重要なのは、ウェブサイトの利便性において課題を抱えている方々のニーズや要望を理解し、可能な限りサポートすることです。
弊社では、こういったニーズや要望を集約し、サービスを提供しています。
インクルーシヴデザインとアクセシビリティに関する情報や最新のトレンドを把握することで、より包括的でアクセス可能な社会の実現に向けた一歩を進めることができるでしょう。
*1)内閣府 障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト― 「合理的配慮」を知っていますか ―「障害者差別解消法」2023年8月4日
次回のテーマは、
「インクルーシヴデザインに関する最新トレンド2」です。
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